東京都美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36 |
本展覧会は、世界的に名高いウフィツィ美術館の収蔵品を通して、15世紀から16世紀にかけてのフィレンツェ美術の流れを展望します。 メディチ家のコレクションを核に設立されたウフィツィ美術館は最も歴史があり、ルネッサンスを代表する画家ボッティチェリの作品を数多く所蔵する美術館としても知られています。
本展覧会は、《パラスとケンタウロス》 をはじめとするボッティチェリ作品のほか、アンドレア・デル・サルト、ロッソ・フィオレンティーノ、ブロンヅィーノら、16世紀のフィレンツェ美術を牽引した主要な画家たちの約80点におよぶ絵画、素描、タピスリーを通じて、豊かで多様なフィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫ります。 |
展覧会会期: 2014 10/11(土)―12/14(日) 展覧会は終了しました。 開室時間: 午前9時30分―午後5時30分 (金曜日、11月1日[土]・2日[日]、12月6日[土]・13日[土]・14日[日]は午後8時まで)*入室は閉室の30分前まで。 休室日: 月曜日、11月4日(火)、25日(火) (ただし、10月27[月]、11月3日[月・祝]、24日[月・休]は開室) 会場: 東京都美術館 企画展示室 (東京・上野公園) 主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、TBS、朝日新聞社 |
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「ウフィツィ美術館展」 開会式 '2014 10/10 |
ルネサンス発祥の地 フィレンツェから至宝が集結!
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「展示構成」 ―PRESS RELEASE、「ウフィツィ美術館」の図録 より抜粋して掲載しています― |
15世紀から16世紀にかけてフィレンツェで活躍したボッティチェリ、アンドレア・デル・サルト、ロッソ・フィオレンティーノ、ブロンヅィーノら、偉大な芸術家たちの作品を幅広く紹介するこの展覧会は、芸術的、文化的魅力にあふれるルネッサンスの中心都市フィレンツェにおける絵画芸術の変遷を、「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」
と呼ばれる新しい様式の開花まで辿りながら、ウフィツィが誇る主要作品約80点に及ぶ作品を通じて豊かで多様なフィレンツェ・ルネサンスの真髄に迫ります。。
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「展示構成」 Ⅰ. 大工房時代のフィレンツェ…フィレンツェでは中世以来、美術家は組合(アルテ)に属し、工房を構えて作品を制作した。 15世紀になると、大規模で組織化された芸術家工房が生まれ、彫刻から絵画、素描下絵、金銀細工品にいたる幅広い注文に応じる大工房が誕生した。 Ⅱ. 激動のフィレンツェ、美術の黄金期の到来…15世紀のフィレンツェの芸術文化は、20歳の若さでメディチ家の当主となったロレンツォ・イル・マニフィコ(1449-1492)の時代に黄金時代を迎える。 教養人ロレンツォのサークルには画家ボッティチェリなど芸術家が集まり、彼は気前よく華麗なパトロネージを展開した。 Ⅲ. 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」の誕生…16世紀の画家、建築家で著述家のジョルジョ・ヴァザーリは、レオナルド・ダ・ヴィンチに始まる16世紀の美術を 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」 と呼んだ。 Ⅳ. フィレンツェ美術とメディチ家…15世紀から16世紀にかけてフィレンツェ美術は、名家メディチ家と分かちがたく結びついている。 おもに金融業によって財力を得たメディチは、共和政国家フィレンツェの政治において指導的役割を果たした。 |
Ⅰ. 大工房時代のフィレンツェ 15世紀のフィレンツェでは、多くの優れた芸術家が生まれ、質、量ともに圧倒的水準を誇る芸術作品が生み出された。 その背景には、フィレンツェの政治的隆盛と商業都市としての経済的発展、また富裕な商人による豊かなパトロネージ(芸術擁護活動)が存在した。(フィレンツェのメディチ家) ・ ドメニコ・ギルランダイオ(本名:ドメニコ・ビゴルディ) の工房 《キリストの埋葬》 1479-80年 テンペラ/板 144x144cm サンティ・サルヴァトーレ・エ・ロレンツォ女子修道院付属教会 本作品は、図像学的観点からみると「キリストの埋葬」図であると同時に、キリストの体を背後からニコデモが支え、両腕を左右から聖母マリアと福音書記者聖ヨハネが持ち上げて支えることにより、観者=礼拝者に死せるキリストを正面向きに立てて呈示する祈念画としての「哀悼」図でもある。 |
Ⅱ. 激動のフィレンツェ、美術の黄金期の到来 1494年メディチ家の追放後、フィレンツェに現れたサヴォナローラとともに始まった共和政は、その過激な教会批でローマ教皇の憤慨を買い、1498年にシニョリーア広場で火刑を経て、行政長官ソデリーニの時代まで続く共和国政府は、1503年、 ヴェッキオ宮内の装飾として、レオナルド・ダ・ヴィンチにアンギアーリの戦いを、ミケランジェロにカッシナの戦いを主題とする壁画制作を依頼した。 ・サンドロ・ボッティチェリ(本名:アレッサンドロ・ディ・マリアーノ・フィリペーピ) 、18世紀の補筆あり [フィレンツェ、1444/45-1510] 《東方三博士の礼拝》 1490-1505年(もしくは1500年頃) テンペラ/板 107.5x173cm ウフィツィ美術館 イエスの誕生を知った東方の三博士が、星に導かれてベツレヘムを訪れ、幼子に祈りを捧げる 《東方三博士の礼拝》 は、公現祭の折に市民たちがその一行に扮して行列を執り行なったフィレンツェではよく描かれた主題であった。 |
Ⅲ. 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」の誕生 16世紀のフィレンツェの芸術家たちが目指し、到達した 「マニエラ・モデルナ(新時代様式)」 とは、先人 (レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエッロ、ミケランジェロ)の、「美しい手法」 を凌駕するほどの表現へと昇華する新しい表現である。 アンドレ・デル・サルト、ポントルモ、ロッソ・フィオレンティーノは、フィレンツェ絵画の伝統を軸とする気品ある革新的な宗教絵画を制作した。 ・ポントモル(本名:ヤコポ・カルッチ)の原画に基づく [フィレンツェ、1494-1557] 《聖母子》 1550-99年 油彩/板 85x67cm ウフィツィ美術館 本作品に見られるように地面に直接座る聖母は 「謙譲の聖母」 と呼ばれ、その起源は14世紀にまでさかのぼりうる。 ただしここでは、キリストの抗うようなポーズや嘆願するように画面の外を見つめる目つき、聖母の瞑想的な表情や祈禱書の存在によって、将来キリストを待ち受ける受難の意味合いが添えられている。 |
Ⅳ. フィレンツェ美術とメディチ家
芸術家の大工房時代からルネッサンス美術の黄金時代へと至る15世紀には、メディチ銀行の前世時代を築いたコジモ・イル・ヴェッキオ(1389-1464)、メダルや工芸品、書籍のコレクションに力を入れたピエロ・ディ・コジモ(1416-1469)、メディチ家史上最大のパトロンであるロレンツォ・イル・マニフィコ(1449-1492)らが、優れたパトロネージを展開した。 16世紀に入り大公コジモ1世、後継者フランチェスコ1世と代々のコレクションと美術パトロネージの精神は引き継がれた。 ・フィレンツェのメディチ家タピスリー製作所 下絵素描おびカルトン:ブロンヅィーノ(本名:アーニョロ・ディ・コジモ) [フィレンツェ、1503-1572] 《春(プリマヴェーラ)》 1546年5月15日以前 238x168cm パラティーナ美術館 本作品は、1545年、コジモ1世によってフィレンツェに設立されて間もないメディチ家のタピスリー製作所における最初の製品の一つであり、古代ローマ人たちが春の季節に祝祭を捧げていた花の女神「フローラ」と同定されることもある本作品の主題は、伝統的な「春(プリマヴェーラ)」の図像によって着想されている。 |
「ウフィツィ美術館」 | ||
15世紀から16世紀のフィレンツェにおけるルネサンス美術の開花は、その多くをメディチ家に負っている。13世紀にまでさかのぼる歴史を誇るメディチ家は、おもに金融業で莫大な富をなし、都市国家フィレンツェの政治において指導的役割を果たす一方で、同時代の芸術家たちを庇護し、すぐれた絵画、彫刻、建築作品を制作させた。
ルネッサンス時代において、権力者によるパトロネージ(芸術擁護活動)と美術作品のコレクションは、彼らの趣味や楽しみであっただけでなく、一族の権力を誇示するための政治的、社会的な行為でもあった。 大公コジモ1世の後継者であるフランチェスコ1世(1541-1587)は、美術品や自然物の蒐集に熱中したばかりでなく、1581年にウフィツィ宮殿の最上階を改築してギャラリーを設置した。 この空間がウフィツィ美術館の原形となった。 17世紀以降、コレクションと美術パトロネージの精神を引き継いだメディチ家代々の君主たちのおかげで、コレクションの数を増し、それとともに展示空間も拡張されていった。 |
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メディチ家の最後の直系となったアンナ・マリア・ルイーザ(1667-1743)は、美術品を含む遺産を嫁ぎ先のオーストリアのハプスブルク=ロートリンゲン家に委譲するにあたり、メディチ家の遺産は国家のものであり、市民のものであること、そしてフィレンツェおよび大公国の領地から持ち出されたり、譲渡されたりしてはならないことを条件として提示した。 彼女の賢明な遺志のもと、コレクションを保持し続けたウフィツィは、1769年に啓蒙主義に則ったコレクションの新しいカタログ化と展示配置、新しい入館口造営の開始をもって新たに一般公開され、ウフィツィ美術館として開館した。 |
お問合せTel:03-5777-8600 (ハローダイヤル) 公式サイト:http://www.uffizi2014.com/ 主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、TBS、朝日新聞社 後援:外務省、イタリア大使館、イタリア文化会館、BS-TBS、TBS ラジオ、J-WAVE 協賛:クイーポ、セコム、損保ジャパン日本興亜、日本写真印刷、三井物産 協力:アリタリア-イタリア航空、アルテリア、日本貨物航空、日本通運、JR東日本 |
参考資料:「ウフィツィ美術館展」 PRESS RELEASE 他。 |
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